間伐オタクの私が、オタクになったきっかけとなる、東北自動車道、大谷パーキングエリヤの間伐材遮音壁が竣工してから、約15年経過しました。
杉の間伐材で出来ていますが、朽ちたところは一つも有りません。木に詳しい人なら、これは驚くべきことです。設計製作した自分自身も、これには驚きです。
もう一つ驚くべき事があります。見ての通り、隙間が全く有りません、小径の間伐材は普通でしたら、収縮を起こし隙間だらけになる訳なのですが、隙間が出来ていないのです。この間伐遮音壁には、有る活気的なものが使われているのです。それはアラミド繊維という化学繊維が使われているのです。
アラミド繊維は、高力で引っ張ると伸び力が抜けると縮む、ゴムの様な性質が有るのです。この性質を利用して木を束ねて有りますから、木が縮めば束ねているアラミド繊維も縮み、隙間が出来ないのです。アラミド繊維に掛けた緊張力は約5トン、間伐材を5トンの力で両側から押えている事と同じですから隙間が出来ないのです。
この間伐材遮音壁を製作したのは、1996年5月、国交省でなく建設省の時代に、林業の衰退による森林荒廃を防ぎ、水の涵養と治山を目的とした、建設省の試みで、高速道路の間伐材遮音壁の実用化の実験が行われた、そのひとつなのです。私の記憶では、全国で4か所の高速道路の間伐材遮音壁が有るようです。
実験とお金が豊富でしたから、この間伐材遮音壁は出来ました、アラミド化学繊維は大手繊維メーカー・テイジンの商品です、価格が高額なので、二度とこの様な画期的な試みは出来ないとおもいます。しかし、間伐材が、腐らないタナリス防腐材加圧注入は、間伐材利用の道を開くものではないでしょうか。変色はしますが、腐らない事は、粗悪で未熟な間伐材のイメージを変えるものではないでしょうか。
この間伐材遮音壁の、腐らない事にもう一つの試みが有ります。それは木の立て使いなのです、木の立て使いは、雨水が流れやすい事なのです。ほとんどの間伐材遮音壁は横使いです、横使いは、雨水を保水してしまい、間伐材の腐りの原因(菌キノコの繁殖)となってしまうのです。
建設省から国交省と変わり、間伐材利用の試みはしぼんでしまいましたが、15年前は全く環境問題意識はなく、地球温暖化の言葉さえほとんどの人が知らない時代でした。環境の時代の到来は、もう一度間伐材遮音壁に光を当てるものかもしれません。
この間伐材遮音壁のCO2削減効果を数値化するとこうなります、約4000本の3Mの間伐材を使っていますから、1本の重量を約13㎏として、全体の総重量は約52トンにもなります、重量の約半分がCO2ですから、約26トンのCO2の固定化をしている事になります。京都議定書の発効により盛んに行われている、森林整備(間伐)が出来る人工林は、林野庁の統計の数値で換算すれば、7176㎡にもなるのです。
東北自動車道ご利用の際は、間伐オタクの原点の、間伐材遮音壁を是非ご覧ください、東北自動車道上り線大谷パーキングエリヤに有ります。
間伐材遮音壁
