2011年12月アーカイブ

ヘボな林業政策 NO1 林道整備

林野庁は林道整備に力を注ぎ、木材の伐採や搬出作業がしやすくなるように、多くの税金を投資しています。

自分としては、日本の林道はかなり整備されていると思いまが、他の林業が盛んな国に比べて非常に林道が少ない事を誇張し、国の予算確保の大義名分にしています。

林業は、地形により林道整備の形も異なりますから、外国の林道整備の距離の比較が、果たして日本に当てはまるのでしょうか。

日本の地形は斜面が急です、毎年の様に台風災害に見舞われる日本では、林道の維持管理にも多くのお金が掛かります。

林道整備が行き届いているようなところでも、おかしな事に、「小径木の伐り捨て間伐」が当たり前のように行われている事です。

採算が合わないから捨ててしまう、採算が合うようにするには、大型のトレーラー車で大量輸送するしかない、林業関係者はこんな言い訳をします、日本の林道整備は、大型車の通行可能な林道整備なのでしょうか。

大きな林道を造る工事費の負担は、国民の税金です、道路の利用料金は伐採された丸太の金額には関係有りませんから、林道整備をすればするほど、材木価格が下落するのではないでしょうか。

 

ヘボな林業政策 NO2 木質系バイオマスエネルギー

環境省や農林水産省(林野庁)は、クリーンエネルギーとしてバイオマスエネルギーの普及を促進しています。

皆さんは、バイオマスエネルギーが太陽光発電と同じ、光エネルギー、太陽によるエネルギーである事を御存知でしょうか?

バイオマス=植物の量、植物は光合成により大気中のCO2をCとO2に分解してO2は大気に放出し、Cは植物自身に貯め込みます、木は貯め込んだCの塊=光エネルギーの塊なのです。

バイオマスエネルギーは、地下資源とは全く異なる地上資源でクリーンエネルギーなのですが、大きな問題点があります、それは、エネルギーの貯蓄にあまりにも時間が掛かる事です。

特に木質系バイオマスの貯蓄には時間がかかります、何十年も掛けて貯蓄したエネルギーが、燃やすと一瞬で、O2と結合し、熱エネルギーを出しCO2に戻ってしまいます。

エネルギーの利用速度と貯蓄速度がこれほどかけ離れた物は無いと思います、木質バイオマスエネルー政策の行きつく先は、北朝鮮の荒野を見れば明らかです。

森林のエネルギー利用は、住宅の薪ストーブ程度で留めて置かないと、必ず、原料不足を起こし、大量の外材の輸入に繋がり、輸入相手国の森林破壊も招きます。

木質系バイオマスエネルギー利用の推進は、愚かなことだと思います、ただし、100年前の様なエネルギーをあまり使わない社会に戻れば話は別ですが。

 

過去の日本は、豊かな森林資源を上手に利用してきました、経済を優先しすぎた結果、日本の木の利用をしなくなり、円高により安く手に入る、高品質の外材の利用を加速させ、近年では、木造住宅の材木の約8割が外材です。

日本の木の文化や日本の林業は衰退していくばかりの時代に、まだ微風では有りますが神風が吹き始めました。

神風とは、地球温暖化という環境問題です。

地球温暖化対応できる最も効果的なものが森林です、ですから、林業は材木の生産のほかに新しく環境改善という新たな経済効果がプラスされます。

来年、2012年は、今年以上に「林業=環境業」「間伐材製品=CO2の塊」として、小径間伐材利用ビジネスの波及を目指しますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

 

 

那須の事務所の帰り道で、松の森の間伐作業を見ました。

栃木県の人工林は、ほとんどがスギかヒノキなので、松の人工林はごくまれです。

松は、青いカビが入りやすい木ですから、菌の繁殖出来ない厳冬期に行うのが正道です。

松ばかりでなく、スギやヒノキも菌と虫の繁殖の無い厳冬期に、伐採をすることが最適です。

松の木は成長が早いことから、速く伐り出せる事から昔はたくさん植林をした木の一つではありますが、外来種の虫害の発生と、市場価値がない事で、最近は全く植林されない木に成ってしまいました。

昔の木造建築では、梁の構造材として松は欠かせな無いものでしたが、現代では、プレカットの材料の加工が出来ないことから、松の構造材の需要はほとんどなくなってしまったのです。

曲がった松梁の加工は、大工の腕の見せ所でもあったのですが、現代の大工の技術力の低下は、日本の木づかい文化の衰退でもあります。

松の伐り出した、丸太の写真を撮ってきました。

この丸太の奥側が、節の有る松梁にする材料だと思います、手前側は節の無い素性の良い太い木ですから、柱や造作材として利用するのではないでしょか。

松の無節の柾目材は、超高級な銘木でも有り、昔は高価なものでした。

 

 

「低炭素杯」の書類審査で、小径間伐材の利用が選ばれ、プレゼンテーションが出来る事に成りました。

低炭素杯の日程は、平成24年2月18日(土)、19日(日)会場は東京ビックサイトです。

詳細は「低炭素杯」を検索してください。

 

グランプリ「環境大臣賞」を目指して、来年の正月は、資料作りに励みたく思います。

 間伐材タイルブロックのサンプルの注文があり、ホームセンターで12センチの角材を購入してきました。

間伐材タイルを作るのに、最も適した材料を選ぶ基準は、年輪の数の多い物を選ぶ事です。

同じ大きさの角材でも、年輪の数は2倍以上違う物があります、年輪の数が多い方が、干割れが数ないので、同じ値段で有りますが、木の価値は違うのです。

木の強度も年輪が多い方が、高強度で、腐りにくい材質でもあります。

今回購入した角材の年輪の細かさに、驚きましたので、ブログの写真に載せて見ました。

 

 

 

12㎝の角材がとれる丸太の太さは約18センチです、この角材の年輪の数は50本有りましたから、植林してから50年を経たスギの木です。

年輪の幅が最初の10年は、年輪幅が広いのですが、それ以降は非常に密です、植林をしてから一度も間伐がされていない、荒廃した人工林の間伐材だと推測が出来ます。

本来なら、50年を経た木の太さは、40㎝以上ではないでしょうか、森林整備をした人工林の1/2以下の太さでは、価値は半減してしまいます。

日本の林業再生のためには、細い小径間伐材を、如何に利用するかに掛かっているのではないでしょうか。

バブルの時代に、木が高価な事から擬木(木を模したコンクリート)がたくさん造られ、多くの施設に利用されました。

擬木コンクリートは、コンクリートに木の質感を持たせた物です、実によくできていますから、近くで良く見ないと、コンクリートで有るかは解りません。

一般の人には、木造の建築と思ったまま、利用している方もいるのではないでしょうか。

しかし、所詮コンクリートですから、一度触れてみるとほとんどの人が、これは木ではないと誰もが気が付きます。

コンクリートは、堅くて冷たいですから、触れば一瞬にして気が付くのです。

擬木コンクリートは、木の模様の鋼製型枠を作り、大量生産を当て込んだ、過去の遺物では無いでしょうか、木が高価な時代だとはいえ、あまりにも商業主義の製品だと思います。

木造で造る数倍の工事費を掛け、冷たい建築を造る時代はもう永遠に来ない事でしょう。

林業が盛んな、街に存在する実に不思議な擬木コンクリート施設の写真を載せます。

 

 

 

 

 

 

間伐材タイルブロックで賞を頂きましたので、この機会に間伐材ブロックの詳細の解説をいたします。

間伐材タイルブロックを開発するきっかけに成ったのは、材木屋で売れずに残る、大量の曲がった角材を見たときに、短く細切れにすれば、曲がりがあっても利用が出来ると思った事に始まります。

旧事務所の玄関タイルとして、木タイルの施工をしたのですが、ここで大きな失敗をします。

失敗とは、木タイルコンクリートボンドで着けたことです、内部は雨が掛かりませんから、問題は有りませんでしたが、外部での利用では、晴天が続くと木が収縮し、雨が続くと木が膨張しますから、外部のタイルの全てがはがれてしまいました。

こんな経験をしたのが10年前なのですが、最近に成り、本格的に間伐材利用を始めると、大量の端材が出始め、これをチップとして燃料にしてしまうのはもったいないと思い、昔の失敗を生かし開発した物が間伐材タイルブロックです。

間伐材タイルブロックは、間伐材タイルを裏側に貫板で止めた簡単な作りなのですが、これを考え出すのにも色々と試行錯誤をしました。

木は含水量で収縮・膨張を起こしますから、全て物理的な釘止めでブロック加工してあります。

木タイルの厚さの最小寸法は、4㎝としました、これ以上薄いと2つに割れてしまう事があります。

間伐材タイルブロックの最小厚さは、4㎝+3㎝(下地の貫の2枚重ねの厚さ)=7㎝です。

7㎝よりも厚い物は、価格はUPしますがいくらでも製作可能です。

防腐剤加圧注入をしてありますから、外部で20年以上朽ちる事は有りません、柔らかいスギ材ですから摩耗による凹凸が出る恐れが有りますが、無垢の木ですから、ベルトサンダーで補修が可能です。

タイルが厚いので、一枚一枚取るのは難しいのですが、鉛直方向に引き抜けば取ることが出来ますから、破損時の交換も可能です。

写真は、間伐材タイルブロックの裏面・表面です。

貫板を井げたに組、木タイル一枚に一本のステンレス釘止めをして、ブロックににしています。

現在の間伐材タイルブロックは、タイル16枚タイプではなく、タイル25枚タイプ、450×450ミリ角の製品にしました、この規格は、16ブロックで、1坪となります。

雨天時に井げたの溝に雨水が溜まりますから、水勾配を付けなくても水溜りはできません、水平な木の舗装は、庭先でバーベQなどを楽しむ時など、テーブルやイスを置くのに最適です。

防腐剤の色は、写真の色の他に、無色の生地色があります。

1㎡の価格は、相場や数量で1割前後の変動はありますが、11000円(着色・タナリス防腐剤)14000円(無色・モクボー防腐剤)程度です。

日本の人工林の「伐り捨て間伐」を減らし、低炭素の木質都市を創る、超エコ商品ですので多くの人に利用して頂きたく思います。

 

 

 

 

第61回栃木県発明展覧会で栃木県発明協会会長賞を頂きましたので、作品の解説をいたします。

作品名は、「杉間伐材を利用した木質舗装材(木レンガ)です。

この作品の特徴は、外部での杉材の利用です、杉材は組織が粗いので水分を吸収しやすい事から、防腐処理をしなければ最も腐りやすい材質です。

組織が粗い事は、防腐剤を含みやすいという事にもなりますから、杉材は防腐剤加圧注入が最も効果的な材質でも有ります。

特に年輪方向からの加圧注入は最も良好で、まったく腐る事のない、製品となります。

木が腐らなければ、CO2の固定となり低炭素社会の構築に大いに役立ちます。

もう一つ外部での利用で工夫した点があります、それは接着剤を利用しない、釘やネジによる物理的な接合です、外部での木の利用は、天候により膨張したり収縮をしたりしますから、説着材を利用すると必ず剥離してしまいます。

物理的な接合は容易に分解が出来、容易に分別も可能ですから、リサイクルやリユースが出来、廃棄物を出す事がありません。

 

受賞した作品の記念写真を撮りましたのでご覧ください。

 昨年の10月に、「公共建築物木材利用促進法」が施行され、今までよりも多くの木の利用が始まりました。

多くの建築士の皆さんは、木の利用方法に不慣れなのではないでしょうか。

特に外部での木の利用は、注意が必要です。

木は有機質素材ですから、雨ざらしにすると、菌(キノコ)が繁殖し、腐り始めます、水分を含んだ木は虫も繁殖しやすく、耐久性があまり無いのです。

木を防腐剤加圧注入をすれば、防腐剤が、木の表面から10ミリ程度浸透していますから、木の表面に多少の干割れが出来たとしても、菌や虫害を阻止する事が出来ます。

塗装の場合は、表面の塗装皮膜はミクロ単位の膜でしか有りませんから、雨ざらしの木が干割れを起こし始めると、雨水が浸透し、菌の繁殖を起こし始めるのです。

20年位前に造られた、高級木材でつくれれた、木道の手すりの写真を載せて見ました。

 

 

右下の白い物はキノコです、個の手すりの中は朽ちてきています。

 

 

下の写真は、出来たばかりの公共施設の木道の手すりです、この場所は、広葉樹が多く、キノコの菌がたくさん有るところです、手すりの上に雨水も載っていますから、この手すりの寿命は、15年程度と間伐材オタクは予想しました。

無理な利用は、税金の無駄使いになってしまいます。

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